移民を受け入れることによるメリットとは【企業における活用のポイントについて解説】

記事更新日:2022年05月30日 初回公開日:2022年05月30日

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グローバル化が進む現在、世界中で多くの移民が発生しています。そのような中で、移民として日本へ来た外国人に企業で働いてもらうメリットを知りたいという人事担当の方も多いのではないでしょうか。そこで今回は移民の定義を説明した後、移民が発生する理由や日本における移民の現状を解説します。その後、世界における移民の現状と、移民を多く受け入れているアメリカの政策を紹介します。そして、日本で移民を受け入れるメリットやデメリット、移民を受け入れる際の注意点をお伝えします。移民が企業にどういったメリットをもたらすのかに興味があるという人事担当の方にぜひ読んで頂きたい内容です。

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移民とは

居住国の変更をした人

移民とは、個人あるいは集団で移住国の変更をした人です。移民という言葉の定義は国によって異なっており、国際的に統一された定義は存在しません。そして、移民には様々な形態があります。移民先の農場や工場、会社などに雇われるための雇用移民や、新たに土地を開拓してそこに定着するための定着移民などがその例です。他にも一人一人の自由な意志に基づく自由移民や、国家または移民団体の計画に基づく計画移民などがあります。世界中に移民と呼ばれる人がおり、国境を越えた支え合いが必要となっているのが現状です。

移民が発生する理由

より良い労働環境を求めている

移民が発生する理由として、より良い労働環境を求めていることが挙げられます。貧困によって苦しんでいる人々が、田舎から都市に移動することによってより良い仕事と収入が得られる可能性があるためです。貧困によって移住するのは、主に単純労働者です。より良い労働環境を求めて移住する人の中には、投資家や起業家、熟練労働者も含まれます。このように、移住することによって労働の面でメリットがあると感じた人々は、自ら環境を変えて新たな場所で働き始めます。そうした人々が増えることで、移民も常に増加傾向にあると言えます。

政治不安や紛争から逃れる

移民が発生する理由として、政治不安や紛争から逃れることも考えられます。自宅で安全に暮らすことができないため、住んでいた土地から逃れることを余儀なくされた人たちです。このような形の移民はほとんどの場合、事前の計画や受け入れ側の地域や国との調整をしていません。また、多くの移民が精神状態や経済的な理由により、緊急の人道支援を必要としています。政治不安や紛争から逃れるために移住する人々は、移住によって命が救われます。その他にも多様な文化に触れるきっかけとなることや、経済的に守られることもメリットになるのです。

日本における移民の現状

移民政策を取っていない

日本における移民の現状は、移民政策を取っていない状態にあります。政府は移民を国籍取得を前提とするものと示しているのです。しかし、外国人労働者の受け入れ体制は整っており、在留期間を制限した上で日本に住むことを認めています。あくまでも労働力の確保のためなので、家族を海外から連れてきて住むということは、基本的に認めていません。日本が移民受け入れに対して積極的でないのは、移民政策が多面的な要素を持ち合わせており、多くの分野にまたがる問題で一括して管理することが難しいからです。

短期の外国人労働者は受け入れている

先ほども記述した通り、日本における移民の現状として短期の外国人労働者は受け入れています。これは、日本の労働力の確保を行うためです。技能水準が試験などによって確認され、基準を満たしていることで在留資格を得られます。入国管理法では、在留期間は通算で上限5年までとなっているのが現状です。世界の基準で見れば、多くの外国人が日本に住みながら働いているため、移民を受け入れているということになります。ところが日本は移民政策を行わず、移民の受け入れは基本的にしていないという姿勢を貫いているのです。

世界における移民の現状

世界中で年々増加している

世界における移民の現状として、世界中で年々増加していることが挙げられます。2019年の時点では、2010年から5100万人増加し、2億7200万人になったと言われています。国際移民の移住先は、1位がアメリカで2位がドイツ、3位はサウジアラビアとなっています。国際移民の3分の1は10カ国の出身で、1位がインドで2位がメキシコ、3位が中国という順で海外に送り出しています。デジタルのインフラが普及したことにより、物理的に国境を越えることなく別の国の仕事を手掛ける「テレマイグランツ(遠隔移民)」も増加しています。

アメリカの移民政策

不法移民対策を強化している

アメリカでは、不法移民政策を強化しています。アメリカは世界で1番多く移民を受け入れている国で、全世界の国際移民の19%にあたる5100万人をこれまでに受け入れています。しかし、2017年時点でアメリカで暮らす移民の23%の人々が不法移民だと言われているのです。そこでアメリカ政府はメキシコやホンジュラスなどの政府との間で、不法移民の抑制についての合意を結びました。また現在もアメリカと中南米などの約20カ国で、不法移民対策に関する話し合いが進められています。移民を多く受け入れるにはこのような対策も必要になってくるのです。

日本で移民を受け入れるメリット

人手不足の解消になる

日本で移民を受け入れるメリットとして、人手不足の解消になることが挙げられます。現在の日本は、他の先進国と比べると総人口に占める労働力率が低くなっています。その一方で全体の需要が増加しているため、労働力が需要に対応しきれない可能性があるのです。中でもIT関係の人材不足に伴って採用が難しいエンジニアは、外国人材を採用する企業も増えています。学ぶ意欲が高い外国人材を確保できれば、母国で学んだ専門的な知識や技能を発揮してもらうことができます。それは結果的に、企業の成長にも繋がるのです。

多様な文化を取り込める

日本で移民を受け入れるメリットには、多様な文化を取り込めることも期待できます。島国で生活する日本人にとって移民を受け入れることは、海を越えた先の文化に触れる良い機会になるでしょう。これまで日本人同士では空気を読み合って伝わっていたことが、外国人材を受け入れることで今まで通りにいかなくなるかもしれません。しかし、それは日本人に刺激を与えてくれるチャンスになります。伝えたいことは言葉にして伝える、価値観の違いを互いに受け入れるなどということは、外国人と働いてこそ体験できる可能性があります。

新たなアイデアやニーズが獲得できる

日本で移民を受け入れるメリットとして、新たなアイデアやニーズを獲得できるということも考えられます。現在、日本の伝統文化の後継者がいないという問題が起きていますが、人気の高い海外から人材を確保するという考え方もあるのです。日本人とは違う視点を持つ外国人が、新たなアイデアを生み出す可能性もあります。また、移民が増えることで新たなニーズが生まれ、ビジネスチャンスが訪れるかもしれません。世界的に見ても、移民の受け入れが経済的にプラスに働いてビジネスにも繋がるため、日本でもポジティブな効果が期待できます。

グローバル化が進む

日本で移民を受け入れると、グローバル化が進むことも企業にとってメリットとなります。日本は他国との言語の壁が高く、グローバル化が進んでいない現状があります。そこで移民を受け入れると、国際競争における競争力を高めることに繋がります。例えば、海外進出をしたいけれど言語の壁などで踏みとどまっている企業が、外国人材を受け入れることで他国との架け橋になってもらえる可能性もあるのです。このようにして日本の製品がさらに海外へ進出し、グローバル化が進むことが考えられます。その結果として、企業の発展に貢献するでしょう。

社会保障制度を支える人が増える

日本で移民を受け入れるメリットとして、社会保障制度を支える人が増えるという効果も出てきます。少子高齢化が加速している現在では、社会保障を支える人が少なく、財源確保が大きな課題となっています。消費税の引き上げによって財源確保に努めていますが、人口が減少しているため消費も減って社会保障は保つことができなくなるのです。そこで移民を受け入れることで、社会保障制度を成立させることに貢献してもらえます。また、日本で生活してもらうことで消費力が上がることも想定されています。

日本で移民を受け入れるデメリット

移民問題が起きることがある

日本で移民を受け入れるデメリットとして、移民問題が起きることがあるということが挙げられます。移民問題とは、移民を受け入れることで新たにもたらされる問題のことを言います。例えば移民の受け入れによって問題となるのは、不法移民が発生することです。不法な入国や期限を過ぎた滞在をしているため、保護や権利が認められずに貧困や犯罪といった問題が起きることがあります。他にも、低賃金の労働を強いられる可能性も考えられます。移民を受け入れるメリットは沢山ありますが、こうした問題とも向き合っていく必要があるのです。

日本で移民を受け入れる際の注意点

文化の違いを理解する

日本で移民を受け入れる際の注意点として、文化の違いを理解することが必要になってきます。移民を受け入れるということは、新しい文化や考えが入ってくるということです。それを理解しようとしない姿勢で共存していると、移民が孤立することに繋がります。また、移民のみでコミュニティを形成して日本に溶け込めないことで、さらに誤解や偏見が生まれるきっかけとなります。移民の受け入れによって自然と日本に入ってくる文化や考えの違いを理解し、互いを尊重する姿勢を持って過ごすことで、多様性の認められた社会の実現が叶うでしょう。

日本人と平等に接する

日本で移民を受け入れる際の注意点には、日本人と平等に接することも含まれます。実際、今も外国人労働者に対するいじめや差別といった問題は解決されていません。また、労働条件が日本人に比べて低待遇な場合もあります。外国人であっても、日本人と同じ人であり人権を有しています。雇用や接し方の面で、外国人だからと差別するのではなく、日本人と同じように平等な対応をするよう心がけましょう。これからも増加すると考えられる外国人労働者が、日本で働いて良かったと思えるような環境にするために、身近な心がけから始めることが大切です。

まとめ

移民を受け入れ企業の発展に活かそう

現在日本は移民政策を取らない姿勢を示していますが、条件を満たした外国人労働者の受け入れは行っているのが現状です。世界的に見ても、移民は増加傾向にあります。移民を受け入れることで多様な文化が取り込まれ、新たなアイデアやニーズが獲得でき、グローバル化が進むなどのチャンスが訪れます。日本人のみの企業では思いもよらなかったことが実現できる可能性があるのです。それだけ移民を受け入れるメリットは沢山あります。デメリットや注意点に考慮しながらも、移民の可能性に目を向け、企業の発展に活かしていきましょう。

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